障害者の方々が通常の事業所で雇用されることが難しい場合、その支援として提供されている「就労継続支援A型」。ご利用者様が理解しやすいように、この制度が提供するサービスや支援内容、利用の条件などわかりやすくお伝えいたします。
未来への一歩を踏み出すために、障害者自身とその家族が知っておきたい情報の参考になれば幸いです。
就労継続支援A型とは?
就労継続支援A型は、通常の事業所で雇用されることが難しい方々に対して、雇用契約の締結(契約を結ぶこと)や生産活動の機会を提供し、知識や能力の向上のための訓練や支援を行う制度です。
利用期間に制限がないため、利用者が必要とする期間だけ利用できます。
利用者の条件
就労継続支援A型の対象者は、原則として18歳以上65歳未満で、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害や難病があり、以下のいずれかの条件を満たす方が対象です。
・就労移行支援サービスや特別支援学校での就職活動を経ても雇用に結びつかなかった方
利用開始時の年齢は65歳未満であり、特に知識や能力の向上を図り、雇用契約に基づく就労が可能な方を対象としています。
利用料はいくら?
利用者は、世帯の収入状況によって負担上限月額が異なります。
生活保護受給世帯は0円、低所得層は0円、一般1は9,300円、一般2は市町村民税課税世帯により37,200円となります。
就労継続支援A型の数値データ
A型事業所の平均工賃は81,645円で、全国に4,010箇所存在しています。
これにより、多くの場所で障害者の方々に向けて支援が提供されています。令和3年度のデータでは、時給926円が平均となっています。
就労継続支援A型の利用者像
利用者像として、以下のような方々が挙げられます。
・盲、ろう、特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが、雇用に結びつかなかった者
・企業等を離職した者等で、現に雇用関係の状態にない者(就労経験のある者)
これらの方々が、就労機会の提供を通じて生産活動に係る知識及び能力の向上を図り、雇用契約に基づく就労が可能な状態に導かれることが目指されています。
仕事内容は?
A型事業所の利用者は様々な作業をしています。仕事内容に例をあげて具体的に見ていきましょう。
・名刺やパンフレットの印刷・加工
・ミシンでの手工芸作り
・パソコンでのデータ入力
・梱包作業
・製品に対するシール貼り
・清掃作業
・カフェでの調理・ホール業務
これらの作業は、個々の能力や希望に合わせて提供され、利用者はこれを通じて仕事に必要なビジネススキルを磨いています。
選考を受けるには?
就労継続支援A型への応募や選考を受けるためには、市区町村の障害福祉窓口やハローワークなどを通じて情報を得ることができます。
また、事業所への直接問い合わせや見学、説明会に参加することで、自身が働きたい事業所を見つけ選考を受ける手続きを進めることができます。
最後に
未来への一歩を踏み出すためのサポートとして、就労継続支援A型が提供されています。
障害者自身やその家族がより具体的な支援を受けるためのステップを踏むことで日々の生活が豊かになり生活の質(QOL)の向上につながる手助けとなることでしょう。
参考にしていただけたら幸いです。
参考引用:厚生労働省
参考引用:厚生労働省「 障害者の利用者負担」
参考引用:厚生労働省「障害者自立支援法等の一部を改正する法律案の概要」